”できない”ことの意味とか
ローハが手に入り、大先輩方のアドバイスを参考になんとかそれを焼き
アク抜きをすること一月、それは”赤”くなりました。
初めての自作”ベンガラ”。
課題も、修正点もまだまだありますが、とりあえず第一段階はクリアできました。
あとは微細処理をして乾燥させて完成。
美濃でこれやってた方はいらっしゃらないとお聞きしたので、
とりあえずこの工程を自分がものにして後に繋げられたらいいなと思う。
そして赤絵具の自作に取り掛かり、困難かと思っていた材料調達ができて
市販の何でもない工業製品のベンガラでの赤絵具の調合は概ね基本的なところまではできました。
ベンガラ関連で右往左往していた時に思いがけず頂いてしまった”吹屋の紅葉印のベンガラ”、
これを使用した調合に取り掛かっていますが、微妙な加減が難しくて毎日サンプル調合をしている。
”吹屋の紅葉印のベンガラ”が良いのは一目瞭然なのですが
「自分が出したい赤とはどんな色なの?」
という基本的なところにぶち当たる。
使う素地や釉薬、意匠によって赤の雰囲気は変えなくてはいけないのだけれど
改めて「どんな赤が好きなんだろうか?」と自問自答してみたら
頭に浮かんだのは”須田青華”だった。それも初代か二代目の(魯山人の赤でもあるな)
とりあえず試行錯誤のポイントは絞れたので
あとはその調合の微調整だけだという段階には来ているような気がしている。
そして、赤絵の自作の副産物として材料は揃っているので色絵具の自作も試みている。
緑色はそれっぽくなってきた。別アプローチの緑、青、黄、紫は着色剤を持っているので
なんとかなりそうな気がしている。
五彩全部自作の絵具で描ける日がそう遠くなくなってきた。
そんな日が来るとは思ってもいなかったが、素直に嬉しい。
そして、ご教授いただいた方々に感謝しかないですm(_ _)m
良し悪しは不明ですが、より’オリジナルな絵付け”になってくれるかなと感じています。
そして、赤絵具の材料探しの際に思いかけず”美濃の陶石”が入手できた。滝呂だそう。
「可塑性がないので素地には向かないです」
と仰っていたのですが、単味にこだわる必要もなく”地元の陶石”が入っていることが自分の中では重要なので
とりあえず試行錯誤してみようと考えている。
地元の原土ベースの磁器土( 半磁器土)、自作のゴス、自作の上絵具、で成形から絵付けまで一人でこなす。
やり始めの頃には考えもしなかったことが現実になりつつあってテンションが上がっている。
美濃の赤絵の器、現実にしたいです。
余談。。。
昨秋から先の個展までに筆を持つ手を酷使したようで”腱鞘炎”になってしまった。
すでに治療は始めていて回復傾向なのがありがたいですが、そのためできる作業が限られている。
(先週に無理をしたら悪化してしまったし。。。。)
でもそのおかげで絵具の追求が進み、ベンガラまで着手、赤だけだなく他の色まで制作できそうだ。
そして土も。。。
”描けない”という葛藤の裏側にはとてつもない”意味”があたようで、
さらなる進化ができそうで有難く感じている。
”思い通りにいかないこと”は強いストレスを抱かせる一方で
その裏側に大きなチャンスとか、意味を見いだせることもあるのだなと。。。。。
次回の窯から出来上がるものは、自分でも想像がつかないくらい楽しみです。